大切な人や、大好きな人に優しくしたいのに、どうしても出来無いという経験をした人は、きっと沢山いる事でしょう。
恋人やパートナーを例に考えてみましょう。
例えば、好きな人が落ち込んでいる時に励まそうと思って温かい言葉をかけるのですが、少し冷たい態度を示されてムカッとする事があります。
そんな時「そんな事を言うのなら、もう二度と優しくなんかしない」と立腹するのです。
あるいは、優しい言葉をかけたいと思っているのに、いざ好きな人と顔を合わせると、相手を刺すような言葉ばかりが出てきて、深く傷つけてしまう事もあります。
そんな時、「これは私の本心ではないんだ」と心の中で叫んでいたりする。
もし、相手が単なる知人だったら、ここまで感情を乱される事は無いでしょう。
私たちが、「優しくしたいのに優しく出来無い」という気持ちになってしまうのは、相手を心底大事に思うが故に、自分の「正の感情」も「負の感情」も、共にその人の前にさらけ出しながら、相手と繋がっていきたいと望んでいるからなのです。
優しく出来無い時、私は心を落ち着けて、こう考える事にしています。
もし私が優しくなかった結果、その人が去ってしまったのなら、私にはもう「優しくしてあげられる事の出来る人」がいなくなってしまう。
それは私に底知れぬ喪失感をもたらすだろう。
すなわち、優しくしてあげられる事の出来る人が、今目の前に存在していると言う事、それが私の人生にとって最大の幸せではないだろうか。
やさしさ
2013.02.13